バイクの小さな傷の直し方

外装のメンテナンス

バイクは倒れるものですから、どうしても外装に傷がつくものです。


外装(ガイソウ)とは、バイクの外側を覆っている着色されたカバー。バイクの服にあたります。


こればかりは仕方ないのですが、ヘタしたら車を擦るよりショックを受ける方も多いのでは?
今回は外装の小さな傷の直し方について取り上げます。

直す方法は大きく分けて3つ

①バイク屋さんに修理を頼む

一番楽な方法です。
事前に連絡してバイクをお店に持ち込むだけで、
しばらく待てばピカピカになって戻ってきます。

デメリットは費用が高くなること。

バイクの外装を直すのには、塗装し易いように分解し、
部品を注文し外注の塗装業者と打ち合わせして梱包・発送など業務量は膨大になります。
この場合、工賃が発生したり塗装を外注に出す際の中間マージンが請求金額に含まれるのは仕方ありません

 

②車屋さんに修理を頼む

車屋さんは板金(=バンキン車の凹んだドア等を元どおりに直すこと)を得意にしているお店も多くあります。
しかし、バイクの外装は車と違い樹脂製なので、
板金屋さんにとってはイレギュラーな仕事です。
車の正規ディーラーや大手チェーン店の板金屋さん(例えば◯◯コンビニなど)では敬遠されかも。
ローカルな車屋さんで仲の良いお店があれば一度頼んでみるのも手です。

もちろん、自分で傷のついた部品を外して、
必要な部品があれば通販等で手に入れて持ち込む必要があるので、
身にも相応の技術が必要です。
自分側も働いた分、うまくいけば安く綺麗に修理出来るかもしれません。

バイク屋さん自身も、板金屋さんと提携している場合もありますしね。

 

 

③自分で直す!

今回の主題はこれです。
業者に依頼する予算が無い方へ。
自分で直すのなら費用を大幅に安く抑えることができます。

私自身も板金に関しては素人なので、完全に直すことはできません。

なので修理というよりも、如何に目立ちにくくするか?の方法になります。

 

 

自分で補修するときの注意点

これから紹介する、「自分で補修する方法」を試すと、
塗装屋さんで本格修理をするときに嫌がられることがあります。
専門業者に依頼できる予算がある場合、
これから紹介する方法を試さずに業者に修理を依頼されることをお勧めします。

また、シンナーなどの溶剤を使用しますので、心配のある方は保護手袋や防毒マスクを着用して作業してください

必要な物

全てホームセンターで揃います。
トータル予算で3,000円程でしょうか。


①ラッカー薄め液(シンナーの匂い)→塗料コーナーにあります。500円位
同じ商品棚にある「ペイント薄め液」ではありません!
また、除光液でも代用はできません。


②タッチペンカー用品コーナーにあります。600円位
傷を直したい箇所に近い色で2種類以上揃えましょう。


③コンパウンドカー用品コーナーにあります。900円位
色々な種類がありますが、写真の様なチューブタイプで、異なる3本がセットになった商品がおススメ。

↓最後に、スーパーで売っている

キッチンペーパー(使い切りタオルのタイプ)
管理人は整備によく使います!

磨いて傷を無くす

塗るより先に、消せるキズなら消しましょう。


↑見にくいですが肉眼でよく見ればわかるような傷。

スマホでご覧の方は拡大してみてください。

「コンパウンド」を使います。
これは歯磨き粉のようなもので、
細かい粒子で塗装面の汚れを落としたり、
ごく浅い傷ならば塗装面を平滑に削り、傷を無かったことにすることができます。

「中目」「細目」のコンパウンドは粒子が荒く
塗装面に磨き傷を残しやすいです。
慣れないうちは極細と書いてあるものから使用し、
深い傷を磨くときに荒いコンパウンドを使用します。
一度荒いコンパウンドで磨いたら、細かいコンパウンドで磨きなおします。

キッチンペーパーに少量取り出し、



小キズのある箇所を磨きます。
摩擦熱で暖かくなる程度のペースでゴシゴシ……



↑5
分程度の磨きで、
肉眼でもわからないほどピカピカになりました。

傷だと思っていたら汚れだった。ということはよくあることです。
塗装するまでもなく綺麗になることもあるので、傷なのか怪しい部分は頑張って磨きましょう。

 

 

傷の補修方法


タッチペン」の登場です。

中に塗料が少量入っており、黄色い部分のキャップの中にハケが付いています。
初心者でも簡単に色を塗ることができます。

ホームセンターはもちろん、バイクの用品店に豊富なカラーが揃えてあります。
一番大事なのが、傷を直したい場所と全く同じ色を探すことです。

例えば黒とか赤や白などの原色なら1本買えば間に合います。
しかし、その他の中間色だと、なかなか同じ色を見つけるのは難しいと思います。
その場合、塗りたい箇所に近い色で明るい色と暗い色の2種類を手に入れ、
塗る際にブレンドすると上手くいく場合があります。

 

それでは早速、塗って直す方法を実践しましょう。
↓ライター右側の傷。
塗装が削れ地肌が露出しています。
直すには黄色の塗料を塗るしかありません。

 

色合わせ
メモ用紙などにタッチペンで色を塗り、
これを塗りたい箇所にあわせてみて同じ色か確認しましょう。

 

②合っていない場合は、別の色のタッチペンの塗料を足します。
絵の具を調合する要領で少しずつ混ぜ合わせながら調整します。

この段階で色合わせがうまくいけば、成功したようなものですが、
合わなければいくら頑張っても塗ったところが目立ってしまいます
どうしても合わなければ、
どちらかというと傷の入っていない塗装面よりも暗めの色にすると目立ちにくくなります。

 

③塗る
(調合した塗料が乾かないうちに素早く作業します)

ハケの先で少しタッチするようにして塗ります。
「塗る」というよりも「ハケ先の一滴を傷の箇所に移す」ようにするのがコツです。
多少盛り上がる程度の量を塗布します。

④ラッカー薄め液を使う。

缶のキャップに少量、薄め液を注ぎ、
タッチペンのハケをキッチンペーパーで拭き取ってから
薄め液に浸しハケ先を洗います。

 

⑤ボカす

塗った箇所の縁に塗料の段があるせいで、補修した感じがばれやすくなります。
ラッカー薄め液を少量含んだハケで、段のついたところを優しくタッチします。
指先の器用な人や女性の方が得意な作業かもしれません。
元の塗装面と、塗った箇所の境界線が自然なグラデーションになるように。

 

⑤乾かす

半日以上、絶対に触らないように。
乾かせば乾かすほど良いです。
待ちきれずに次の工程に移ってしまうと全てが台無しになります。
失敗したらラッカー薄め液で拭き取って最初からやり直します。

 

⑥仕上げ磨き

完全に乾いたら、コンパウンドで磨きます。
極細のコンパウンドを使い、慎重に優しく磨いて段差部分を落としつつ
ツヤをだします。
うまくいけば写真のように傷が分かりにくくなります。

以上がタッチペン補修になります。
コツは色合わせと、境界線のボカしを自然にすることです。

なかなか成功するのは難しく、何回かやり直すことになると思いますが頑張ってください。
補修するのに一番簡単なのは「ソリッド」と呼ばれる、パールもメタリックも入っていない完全な単色です。
特に黒なら市販のタッチペンで「ブラック」を選べば本当に補修したのかわからないほど綺麗に直ります。

塗って乾かして磨いてやり直してを繰り返すので根気と時間が必要ですが、予算は安い!
自己責任ですが、画像のように小さな箇所ならばチャレンジも手ですよ。


以上。管理人の自己流補修でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました