チェーンの張りを点検する方法

点検&簡単な手入れ

バイクは昔から現代まで多くの車種で後輪の駆動にチェーンを使用しています。チェーンは丈夫な鉄でできていますが、乗るうちに伸びてしまい定期的な点検と調整が必要になります。

チェーンの張り具合はどの程度がベストか?は車種によって決まっていますが、今回はできるだけ多くの方の参考になるような記事にしたいと思います。

チェーンのメンテンスで必要なのは、以下の3点です。別の投稿でも詳しく説明していますので☆をタップしてみて下さい。
①張りの確認
②給油と錆び取り&掃除
③張りの調整

今回は①の張りの確認方法を紹介します。

張りを確認する位置と方法

ドライブチェーンは殆どの車種で左側にあり、エンジンと後輪タイヤの間にかかっています。そのチェーンの全体の長さを半分にした箇所で張りを確認します。これは多くのバイクで共通の約束ごとになります。

 

この位置でチェーンを下から押してみて張り具合を確認します。押す前のフリーな状態と、押した後で何mm移動したか?を測ります。押す力はそんなに要りません。コップを持ち上げる程度の力ぐらいでしょうか…

張りの規定値について

多くはチェーンの上側に注意書きのようなラベルが貼られています。そこにはチェーンの張り具合についての規定値(指定値)が書かれています。もしラベルが無い場合はバイクの説明書もしくはインターネットで検索しましょう。もしそれでも確認できないときは後に説明する方法で張りを合わせます。

注意ポイント!

チェーンの張りを確認する位置は既に説明した、全体長さの中央位置ですが、後輪を半周位回した後に、再び同じ場所で張りを確認すると、先程より張りが緩んでいたり張っていたりすることがあります。

これは「片伸び」と言い、一本のチェーンの中に伸びている所と伸びていない所がある状態です。乗っていれば少しづつなる症状なので仕方ありません。

チェーンの張りは、後輪を回してみて、中央位置で最も張っている所で確認します。

 

 張りを確認する時のバイクの状態

張りを確認するとき、メーカーによってバイクの姿勢に指定があります。

今回教材にしているドゥカティはサイドスタンドで駐車している状態でチェーンの張りを確認するのが指定です。

国産車ではバイクを起こしてライダーの全体重が乗っている状態が基準になることが多いです。

ご自分のバイクがどれなのかは、やはり説明書で確認すべきですが、特に記載が無かったり不明な場合はバイクを直立に起こして体重を乗せた状態で測ると良いでしょう。

ただし、センタースタンドで測るバイクは聞いたことはありません。センタースタンドでチェーンを張ると、運転時には凄く張る状態になりエンジンが壊れるかチェーンが切れるので絶対にやめましょう。

特殊ケースとして、かつて一斉を風靡したメガリはサイドスタンド状態でかなり強くチェーンを張ります。
また、cannamというメーカーの三輪車はジャッキで後輪を浮かせた状態で駆動ベルトの張りを確認します。

 一人でバイクに体重を乗せながらチェーンの張りを確認する方法

これは実際にバイク屋さんで行われる方法です。特定のメーカーしか扱わない販売店はチェーンの張りのデータが揃っているのですが、なんでも扱う店だと一台一台の規定値がわからない場合があります。

そんな時はこれから紹介する方法でチェーンの張りを感覚で合わせてしまいます。理屈上は全てのバイクで有効な方法になりますので、ご自分のバイクの張りをどの位にしたら良いか?が不明な方は参考にして下さい。

サイドスタンドで駐車した状態から始めます。

  1. バイクの右側に立つ(チェーンが車体の左側にある場合)
  2. 左足をバイクのステップに載せる
  3. 右手でハンドルを握り、フロントブレーキレバーを握る
  4. ステップに乗せた左足に体重を乗せながらバイクを起こす
  5. バイクを垂直に起こしたら、倒れないようにバランスを取りつつ左足に全体重を載せてバイクを沈みこませる
  6. 左手をシートの上からチェーンに伸ばして張りを確認する

この時、チェーンの遊びの距離(遊び具合)が10〜20mm程あればOKです。
感覚で言えば、少しは動くけどちょっと張り気味かな?位のニュアンスです。
体重を抜いてサイドスタンド状態にした時にチェーンの遊び量が倍以上に増えていれば問題ありません。

もちろん、同じ位の体重の人が手伝ってくれる場合は一人がバイクに跨って一人がチェーンの張りを確認する方が安全確実です。

チェーンを交換する目安

チェーンが伸びても張り直せば延々と使えそうなものですが、実際にはそうもいきません。
チェーンの後ろ側にはスプロケットという部品がありますが、ここにかかっている部分のチェーンを摘んで引くと動くことがあります。

まだ大丈夫なチェーンであれば例え緩んでいてもここが動くことはありませんが、交換時期に近いチェーンは張っていてもガタガタと動いてしまいます。

あまりにもチェーンがスプロケットから動くようなら交換した方が良いでしょう。

他にも、チェーンがジグザグな形になっていることがあり、この症状を「キンク」と言います。同じく要交換になります。

また、チェーンの給油や掃除を怠るとサビてしまうことがあります。これもキンクや伸びやすくなる原因になりますので、小まめなメンテナンスを心がけましょう。

コメント

  1. miki より:

    おはようございます、初めまして。
    ある程度難易度が高くても、とても詳しく理解し易い内容で説明で、いつも楽しく読ませて頂いてます。
    参考になる記事ばかりで掲載して頂き、本当に有難う御座います。m(_ _)m

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